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ストレンジ・フルーツ 感想其ノ弐

以下、お話の内容にとっても触れている感想文です。

お芝居観てないひとで、これから観る予定のひとは、観ちゃ、ダメ、ゼッタイ。

 そもそも、『ストレンジ・フルーツ』とはなんぞや?について。
それは、最愛の人から作る、心臓を剥き出しにした体(つまり死体)をアート作品としたもの。
過去に、元アーティスト・現キュレーター(学芸員)の久良間とその妻が考案し、制作した。

そんなとんでもない作品『ストレンジ・フルーツ』を作った久良間が苦しみの重圧に耐え切れず、教え子であり"自分に似ている"千葉に、千葉の幼馴染でかつての恋人であり、実は今も深〜い愛情で繋がれているカナの体を使って同じ事をさせ、「こちら側」の人間にさせてしまうという、久良間のおっちゃんの陰謀の物語なのである。ウワーン久良間のおっちゃんコワイ><しかも久良間って「くらま」って打っても変換されないから打つのめんどくさい><

物語は順序を遡っていく設定で、そんなコワ〜イ作品『ストレンジ・フルーツ』を千葉が完成させる(直前の?)衝撃のシーンから始まります。場面が進む(=時間を遡る)に連れて、「Oh…どうしてこうなった…」という謎が解けていくという仕組みになっているのでR。場面は5つのチャプターに分けられていて、チャプター#5(4月1日)からチャプター#1(1年前の4月1日)へと時間を遡って行くのですが、遡る事に「クールで冷酷な怖い千葉」から「優しくて少し気弱な普通の男の子千葉くん」に戻って行く感じ。んで、最後の場面(チャプター#1)でクラマの陰謀の全貌が明らかになるんだけど、その時既にカナは自分の運命を知っていた…というか、心臓病を患っていて余命わずかであることもあり自分の意思で「千葉の作品になる」事を心に決めて千葉の元にやって来るんです。それを分かってしまった千葉くんがビビリながらも「俺がお前の心臓取ったる…!俺がお前の耳になったる…!」(違)と決意し、まさに命を懸けた究極のラブストーリーな展開になって終焉を迎えます。あ、分かりにくく且つ必要の無いボケをつっこんでしまって申し訳ありません。


このお芝居の面白かった点は、やはりなんといっても「逆再生」という構造でした。お芝居が進んでいくに連れて場面が遡って行き、最後の最後に「そういう事かー!」となるので、脳内で、今目の前で見てる場面と前のシーンをつなげる作業をしたり、「え、なんで、どうして、、」という疑問が最後に解決する気持ち良さ(…いや、本当はクラマさんこわーい趣味悪ーいという気持ち悪さw)もあったりで、ぐいぐいとこの舞台の世界観に持っていかれて飽きること無く純粋にお芝居を楽しめました。アイドルの(しかも自分がいちばん好きなアイドルの)出てる舞台なのに…!これはやっぱ演出が良くて脚本が面白かったからなんだろうな。(もちろん「増田くんが千葉を演じたから」という事もありますが増田くんを褒めるのは「感想 其ノ参」でじっくりやるつもり。エヘッ)「死体をアートにする」なんて凡人には理解できないけど、最終的にそれが「アート」を強調したエキセントリックなものではなく、千葉とカナの「小さな恋のメロディー」だったから、人間らしい千葉くんに感情移入できたから、「残酷、だけど美しい」という事をより感じることが出来て、良かったなぁ〜って思えたのではなかろうかなぁ。
演出といえば、物語冒頭の、カナの首吊り死体を使って千葉が作る作品(後々、この作品は千葉ひとりではなくこの物語に出てくる千葉の仲間たちの作品をひとつにまとめた共同作品であることが判明)が幻想的でカッコ良かった!音楽と建物を使ったアートとプロジェクション・マッピングが一体化して、凄く綺麗で、何度見てもわ〜ってなります。これ、フジロックのところ天国あたり(映画上映してるとこ)でやってほしいな〜。森の中の首吊り死体は怖すぎるけど。笑 
あと、チャプターごとの区切りの所で流れるスクリーンの逆再生の映像も凄く良かったです。登場人物の関係性を想像させる意味深な映像が意味深な言葉とそれに合った音楽と共にドギャーーーンと流れるので、すごいインパクト(さらに増田さん萌え要素多数)。千葉が先述のカナの首吊り死体で作るアートを完成させた後、「あああああああ!!!!!!!!!」って叫んでからのオープニング(役者紹介)も、これまた良いんですよねぇ〜〜〜。毎回鳥肌立ちます。よく見るとスクリーン以外の部分にもすごーーく凝った映像(模様みたいの)が音楽に合わせてバババババって切り替わったりしてて、細かい所まで気が利いてるなぁ〜と感心しました。

とりあえず其ノ弐の感想文はこれでおしまい。其ノ参に続く…。